地下うさぎ
始まりのトンネル
それは大好きな昼寝の時だった。
調子が良くてまどろんだものではなく、残念ながら体調不良での「ぶっ倒れた昼寝」だった。
このところ色んなものが変化し動いているので、ついていくのは大変だ。
特に彼岸前のこの季節はいつも鬼門になってしまう。
ちなみに去年は入院までさせて頂いた(笑)。
今年は入院したくないので、今日は何があっても寝てやるという意気込みで家に帰り、さっそく布団に入ってすぐだった。
私は石の積み重なった「エレベーター」に乗ろうとしていたようだ。
その石というのは、決して小さくなく、どちらかとうと「岩」。
でもなぜか重厚感がなく、なんだか不思議な「石」だった。
積み重なった石の間に、なぜかウサギが何尾もいる。
多分大きいうさぎで、一羽がひとのからだの半分もあるようなやつだ。
乗る、という表現が正しいかどうかわからない。
そのエレベーターについて動くという感じもする。
石の間にいる大きなうさぎたちは、石に挟まれているわけでもなく、やはり
石と一緒にいる」という感じだ。
最初は上に上がるのかと思ったら、「エレベーター」は下にぐんぐん降りて行った。
よくは覚えてないが暗いところに降りていくようではない。
そしていつ着いたかも覚えてないが、きがついたらちょっと壊れた「絵」のような街の一角にいた。
なぜか「床屋」の前だった。
昭和のはじめ頃のような雰囲気で、すこしセピア色がかった色調にみえた。
まるでわら半紙に描いた絵のようだったが、その輪郭は少し歪んで見えた
目が覚めて頭に浮かんだのは、「岡山の千日前商店街」。
それは私の育ての親が子供時代をすごしたところだった。
ここで間が覚めたわけだけが、頭に張り付いたのは
大きな牡丹餅みたいなうさぎたち。そして歪んだ景色。
でもいままでみた「過去の景色」とは違うもので、うさぎも初めてだった。
「なんだろう」
そう考えていた時に、「地下うさぎ」という言葉があたまのなかではじけた。
数日前、妙な流れがあり、この時は事故があちこちで起こった。
そのまま少し前は、列車事故もあった。
「何が起こっているか教えて!私にわかるように!」
私は「家族たち」にお願いしていたことを思い出した。
これがわたしと地下うさぎとの最初の出会いだ。
なにがどうなるというものでもないんだろうけど、
地下うさぎたちはどうやら私の「なかま」のようだった。
こんど会うときはどこに連れて行ってくれるのか
楽しみにしている。
そういえばもうお彼岸じゃん!
今年のお彼岸はどうなることやら。
連休だけど、私は静かに家で潜んでいようかなと思っている。
実家のお参りは
お彼岸がおさまってからにしようっと。